
見慣れた景色も、観る角度を変えれば
あなたにとっての新しい名所?
の発見になるかも。
歩いて、自転車で、バスや電車で、
気持ちをリフレッシュさせる小さな体験に
出かけてみませんか。
周囲を巡ってみましょう。タイル貼りの外壁とテラコッタの装飾による外観が、モダン建築には見られない味わいを感じさせます。
裏側の庭園も、庁舎全体の一部となって設計されたことが分かります。
車よせの正面玄関から屋内に入ります。
エントランスの壁や天井に見られる装飾、照明器具などは、まさに「レトロ」。
そこをぬけると、吹き抜けの空間が現われ、重厚な木製手すりの階段が左右に広がっています。
階段途中の踊り場にはステンドグラスの大きな窓が取り付けられ、明かりとりになっています。
1階は、現在も環境局の一部と市民ギャラリーなどとして活用され、市議会が開かれる階上の本会議場などを除き、自由に見ることができます。
屋内を歩いていると、「昭和」にタイム・スリップしたような感覚になります。
見落としがちなのが、階段や廊下の窓ガラス。
沼津市の御用邸の窓ガラスと同じように、古いガラスのため表面に緩やかな凹凸があり、他ではなかなか見ることができない窓ガラス越しの風景を楽しめます。
静岡市に住んでいるなら、ぜひ、「昭和」の建築をじっくりと体験していただきたいもの。
建物の印象をユニークな存在にしているのが、当時、流行した「帝冠様式」と呼ばれる屋根が瓦葺(かわらぶき)という和洋折衷の外観です。残念ながら、近くからはその特徴があまり意識されないようです。
こちらも市役所旧館とともに空襲や火災から逃れ、文化庁の登録有形文化遺産に指定されています。屋根瓦の一部に空襲で被弾した部分を修理した跡が残っているとのことですが、地上から見ることはできません。
正面玄関前の車よせから階段を上がるとエントランスは吹き抜けの空間になっていて、そこからさらに階上への階段が続きます。
このあたりは設計者が同じだったからか、市役所庁舎に共通する印象があり、壁に掛けられた大きな時計とともに、県庁としての重厚さや威厳、「昭和」という時代を感じさせます。
設計は日本で多くの建築をてがけたことで知られているW.M.ヴォーリズ。大正時代の末から昭和時代初期にかけて日本で流行した、スパニッシュスタイルの外観が特徴です。
海岸近くだったため、設計・施工には潮風から守る工夫も施されています。
太平洋戦争により夫妻は帰国させられますが、戦後の昭和23年に再び来日し、この家に戻りました。
昭和26年に夫のダンカンは病死しましたが、妻のエミリーはここに留まって社会福祉事業に尽力し、静岡市名誉市民の第一号に選ばれています。
この邸宅の隣に残る「乳児院」の施設跡から、彼女の功績を偲ぶことができます。
高齢になったため帰国する際、屋敷の半分を静岡市に寄贈し、残り半分を静岡市が買い取りました。
こうして旧マッケンジー邸として残ったこの邸宅は、国登録有形文化財となって静岡市が管理しています。
ピアノが置かれたリビング、台所のシステム・キッチンやアメリカ製調理器具、水洗式のトイレ、地下室にボイラーを設置したスチーム暖房の設備、庭のガレージに保管されている自家用車(昭和22年製のキャディラック)など‥‥,これらが、マッケンジー夫妻が生活していた当時のままに保存されています。
三階は天体観測に使われていましたが、現在は入室できません。当時は満天の星空を見ることができたのでしょう。邸宅全体が、夫妻が持ち込んだアメリカ文化の豊かさを、今に伝えています。
庭のすぐ南側には現在、通称「いちご街道」と呼ばれる国道150号線の道路が通っていますが、当時はまだその道路もなかったことから、すぐ近くに海岸が見渡せたはず。
駿河湾の向こうに広がる太平洋。そして、その先にあるアメリカ。マッケンジー夫妻は、海岸の景色の向こうにアメリカを偲んでいたのかもしれません。
■住所/静岡市駿河区高松2852番地
■電電話/054−237−0573(または静岡市文化財課054−221−1066)
■入場料/無料
■休館日/月曜(休日の場合はその翌日)・祝日の翌日(土・日曜の場合を除く)・年末・年始(12月26日から翌年1月5日まで)
■交通/バス 石田街道線(下島経由大谷行き「浜敷地」下車)
■駐車場:あり
昭和26年に県立自然公園、昭和34年に国の名勝に指定され、日本観光地百選コンクールで1位を獲得。静岡を代表する景勝地で、日本夜景遺産にも認定されました。しかし、近年まで、そんな良さを活かしきれず人気は下降し、名勝にふさわしい山頂の整備が待ち望まれていました。
静岡市と旧清水市が合併したことから、静岡県の主導で2018年11月3日にオープンしたのが「日本平夢テラス」です。
3階建てで正八角形の「展望施設」と約1200平方mの「和風庭園」、デジタルタワーを囲んで巡る「展望回廊」から構成され、富士山や南アルプスの山々、駿河湾、三保松原などのパノラマを楽しむことができるようになりました。土曜日は21時まで営業しているので、静岡市街や清水港の美しい夜景も楽しめます。毎月第4土曜日は、山頂で「日本平夜市」が開催され、出店やイベントが開かれますから、日没のころから夜にかけての景色の変化も観賞できます。
施設の外装・内装ともに自然景観と調和するよう、静岡県産の木材がふんだんに使われ、美しく木材を組み合わせたこだわりのデザインを設計したのは隈(くま)研吾氏。東京五輪(2020年)のメイン会場となる新国立競技場を手掛ける建築家として知られています。
駐車場のそばには「東展望台」、日本平からの眺望を絶賛した有名な徳富蘇峰 氏によって選定された4箇所のビュー・スポット(吟望台・鐘秀台・超然台・望嶽台)のひとつである「吟望台」(ぎんぼうだい)など、 山頂一帯を巡る楽しみもあります。
近くには「日本平ホテル」があり、その野外庭園は、2007年に放送されたテレビドラマ『華麗なる一族』のロケ地としても有名です。
こちらも無料で開放されていて、ホテル6階にある屋外テラスも眺望が良く、宿泊者以外も利用できます。
この「夢テラス」ができたことで「日本平」がより魅力的な観光スポットに変わりました。改めて足を運んでみたいところです。
■開館時間/日・金曜日=9:00?17:00 土曜日=9:00〜21:00 ※展望回廊は終日入場できます。
■休館日/毎月第2火曜日 及び年末(12/26〜12/31)
■交通/JR静岡駅よりバスで約40分、日本平ロープウェイ行き「日本平石碑前」下車徒歩5分
JR東静岡駅よりバスで約25分、日本平ロープウェイ行き「日本平石碑前」下車徒歩5分
■夢テラスカフェの営業時間/
平日、日曜日/ 9:00〜17:00 (ラストオーダーはドリンク:16:30・フード:11:00〜16:00)
土曜日/ 9:00〜21:00 (ラストオーダーはドリンク:20:30・フード11:00〜20:00)
■2階ラウンジ
季節のお茶や茶菓子とともに、景色を楽しみながらくつろげるラウンジ。
■3階展望フロア
全方位の眺望が楽しめる展望フロア。
天候によって富士山を望めないときにも役立つ大型モニターで美しい富士山の映像を表示。
■庭園
四季折々の花が咲き、施設の魅力を引き立たせる約1,200平米の庭園。
■展望回廊
1周約200mの展望デッキから楽しめる、富士山、三保松原、駿河湾、静岡市内など360度の眺望。
■所在地/〒424-0886 静岡県静岡市清水区草薙600-1
■電話番号/054-340-1172
■入場料/無料
■駐車場/無料・普通車約140台
それから80年余りを経て昭和の時代となり、さすがに老朽化。そこで、所有者である「日本基督教団静岡教会」による新たな施設の建設計画が立てられ、解体されることになりました。
しかし、貴重な歴史的遺産が失われていくことを惜しんだ多くの声があり、静岡市が教会側の全面的な協力を得て、昭和61年3月に建物の寄贈を受け、現在の地に移築保存されることになりました。
昭和62年から一般公開され、静岡県内に残る唯一の外国人宣教師住宅として、私たちは明治時代の西洋建築に、今も触れることができます。
日本平動物園に隣接して建つその佇まいは、ペイントされた下見板張の外壁やポーチとバルコニーのアーチなどの洋風仕様と桟瓦葺きの和風仕様とが融合した明治時代の洋館建築ならではのものです。
一階にポーチのついた玄関やバルコニー、二階に玄関上に突き出した小さなバルコニーやサンルームが配され、南向きの屋根には屋根裏窓が設けられています。
釘を使わないで組まれた階段や、一枚板が使われた家具、当時のままの窓のガラスなど、細部にも見どころが多くあります。
徳川家康 公が今川家の人質として幼少期を過ごし、晩年の居城とした駿府城の城下町に在ることから、特に徳川氏の崇敬を受けました。
中央正面に位置する楼門は品々や今川氏・武田氏の遺品、賤機山古墳の出土品が展示されています。
現在、境内では平成26年末から20年の歳月をかけ、平成・令和の大改修が行われています。
大歳御祖神社と少彦名神社の改修に続いて桜門の改修が行われ、創建当時の総漆塗り極彩色の豪壮華麗な建築群がよみがえりつつあり、その鮮やかな佇まいを、ぜひ改めて訪ねてみたいものです。
住所 〒420-0868 静岡市葵区宮ヶ崎町102-1 電話番号 054-245-1820
交通/JR静岡駅よりしずてつジャストラインバス安倍線バス8分、「赤鳥居 浅間神社入口」バス停下車
駐車場/参拝目的以外(境外退出の場合)の駐車は出来ません。駐車時間は30分。近隣にコインパーキングあり。